<えになるかとり かとりっぷ> ◆第百六十二回 川のある風景
ある日の夕方、どこからか篠笛の音が聞こえてきました。
誰が吹いているのかなと、つい気になって音のする方へ行ってみると…
小学生の子供達が“だし”(川に接して、船から荷を積み下ろしするための階段状の船着き場のこと)に集まっていました。
よく見ると、正座をして笛を吹く二人。その前で掛け声をかけながら見守る子達。
子供達が下座のまねごとをして遊んでいたのでした。
歩を止め耳を傾ける人、家から出てきて見守る人、とても平和で穏やかな時間が流れていました。
みんな、お祭り大好きなんだな、と思う瞬間です。
お祭りが近づいてきたと実感するのが、前回、柳がロングヘアになってきたと書いたと思ったら、今週から散髪が始まったことです。
川沿いは軽トラが横付けされ、おじさんたちが梯子を木にかけ、ジャンジャン切っていきます。
川に落ちた枝は、先が鉤手のようになったお手製の長い棒ですくい上げます。
この暑い中、黙々と作業をして、どんどん柳はさっぱりと刈り込まれています。
週末はもう七月に入りますもんね。何が何でもお祭りまでに終わらせなければなりません。
静かに着々と準備がされています。
お楽しみに。
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えになるかとり かとりっぷ
第百六十二回 川のある風景
文・写真 きのしたまみ
毎週木曜日更新